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胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の検査とは
内視鏡機器は、より良く見えより患者様がスムーズに受けられるようになっており、太く硬い内視鏡に比べ患者様への苦痛は少なくなってきています。2010年8月からは、内視鏡外径9.2mmのものから外径7.7mmのより細径の内視鏡を採用し、さらに2020年7月からは外径5.4mmのオリンパスのGIF-1200Nを採用しています。GIF-1200Nは画質性能を維持したままさらに細径化した物です。今までの内視鏡に比べさらに患者様に負担の少ない内視鏡検査が可能になっています。検査の準備は当日の朝食を止めてもらうだけです。前日の夕食は軽くする必要がありますが止める必要はありません。
検査の手順ですが、まず胃の観察をしやすくする目的に胃の粘液除去剤と胃の中の泡を取る薬を飲んでもらいます。喉の奥(咽頭)の麻酔は表面麻酔薬のスプレーで行います。当院では検査をスムーズに受けてもらうために鎮静剤を注射し、少しウトウトした状態で検査を行っています。これは意識下鎮静法といわれる方法です。この方法を使うことで検査を楽に受けてもらうことが可能です。
検査では食道、胃、十二指腸の中を細かく慎重に観察します。バリウム検査に比べると、粘膜の細かい色調の変化やわずかな隆起、陥凹をしっかりと観察することが可能です。これにより早期に病気の発見が可能になります。必要に応じ粘膜の一部を小さく採取(生検と言います)して、顕微鏡の検査へ提出し良性悪性の鑑別をします。検査は5分程度で終了します。検査後30分くらいお休みいただいた後、検査の説明をいたします。検査中に撮影した画像を見ながらわかりやすい説明をするように心がけております。希望のある方には内視鏡写真をお渡ししています。検査後の食事は喉の麻酔が切れる2時間後から可能です。
経鼻内視鏡について問い合わせを受けることが多くなっています。経鼻内視鏡用の内視鏡は挿入部の直径が約5mmと細く、鼻の穴から挿入し胃の中を観察するタイプの内視鏡です。検査中会話が自由にでき、患者様には楽な検査となっております。2020年に採用した細径内視鏡は、以前の経鼻用細径内視鏡が視野が狭く、解像度がまだ良くなかった点が改善されています。今後当院でも経鼻内経検査の導入を検討しているところですが、今のところ鼻出血が比較的多く、経鼻で挿入できないことから採用を見送っております。
内視鏡検査は保険診療で行いますので、費用は1割負担の方で3,000円程度、3割負担の方で9,000円程度となります。
胃カメラの予約は、電話でもお受けいたします。
お電話は
月火木金土 10時から12時、
月火木金 15時半から18時にお願いいたします。
予約の際は下記の用紙をご覧いただきながらお電話ください。
※PDF形式の文書をご覧いただくには、Adobe® Acrobat Reader(無料)が必要です。
お持ちでない方はこちらから入手できます。
内視鏡検査(胃カメラ)の対象になる症状や場合
以下のような症状はないでしょうか?
このような症状がある場合は内視鏡検査の対象となります。
検査を行い、異常(ポリープ、がん、炎症)がないかどうか調べることが大切です。
“胸が焼ける”
“胸がつかえる”
“熱いもの辛いのもが胸にしみる”
“ゲップが出やすい”
“胃が痛む”
“胃がもたれる”
“嘔気、嘔吐がある”
“黒い便がでる(タール便と言い、胃などから出血した場合に見られます)”
“食欲がなくなった”
“急に体重が減った”
“バリウムの検査でポリープなどの異常を指摘された”
“胃の血液検査(ペプシノーゲン法)で異常値を指摘された”
“胃がんリスク検診で要精査を指摘された”
“家族の中に胃の病気が多い”
また症状がない場合も、いわゆるがん年齢と言われる40歳を超えた場合は一度検査することが大切です。症状のない状態では、その分早期のがんを見つけることが多くなります。
意識下鎮静法
胃カメラ、大腸カメラをスムーズに行ってもらうための方法です。検査の前に鎮静剤を注射し、ウトウトした状態で検査を行います。全身麻酔のように意識がなくなってしまうようなものではなく、呼べば返答できる程度の状態です。年齢、体格により薬の量は調節し、また検査中は血液中の酸素濃度を常時測定することで、呼吸循環のモニタリングをしながら、検査が行われるようにしています。検査のあとは30分程度休む必要があります。また検査後は当日中、自動車、自転車、バイクの運転は大変危険ですので、厳禁となります。
電子内視鏡検査
電子内視鏡は先端に小型CCD(ビデオカメラ撮影装置)がついており、胃や大腸の内腔をテレビ画面に映しながら検査が行える装置です。1983年に米国で開発され、1984年に日本にも紹介された後、1990年頃から本格的に普及し始めました。それ以前のファイバースコープに比べ解像度が変わり、腸管の内腔を鮮明に観察する事が可能です。早期がんの発見の増加は、電子内視鏡の開発によるところが大きいと考えられています。当院ではオリンパス社のEVIS X1を採用し、胃や大腸の検査を行っています。
当院の内視鏡検査件数
現在胃カメラは主に午前中、大腸カメラは午後に行っております。また午後に胃カメラ大腸カメラを同時に行うことも場合によっては可能です。年々件数は増え、発見されるがんも増えてきています。手術が必要な患者様は近隣の病院の外科に紹介しています。また早期のがんの場合は、内視鏡的な治療のみで当院で治療が可能です。当院で治療困難な大きな早期がんの場合は、内視鏡手術の可能な病院に紹介することにしています。
胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査ともに、予約制で行っております。予約を取りづらい時期がありますが、ただし至急に検査が必要と判断した患者様に対しては、緊急の枠を設け対応しております。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | ||
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内視鏡検査数 | 胃 | 1974 | 1913 | 1877 | 1557 | 1652 | 1626 |
大腸 | 1051 | 1021 | 1057 | 907 | 1088 | 911 | |
がん診断数 | 胃がん | 5(5) | 9(7) | 10(6) | 5(4) | 5(2) | 9(6) |
大腸がん | 27(18) | 33(13) | 34(21) | 23(14) | 32(17) | 18(9) |
※()内は早期がん
※横スクロールで他年度も確認いただけます
胃がんリスク検診
胃がんリスク検診は血液検査をすることで、胃がんになりやすいかどうかを調べる方法です。採血項目は2つあり、血清ペプシノーゲンを調べることで胃粘膜の萎縮(老化)の状態を調べます。萎縮の進んだ胃にがんの発生が多いと言われています。もう一つの項目はピロリ菌抗体検査で、ピロリ菌の感染があるかどうかを調べます。最近はピロリ菌ががんの原因の一つであると言われています。胃がんリスク検診で要精査が必要と判断された場合は、保険診療で検査を行います。