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大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の検査とは
当院では直径11mmの内視鏡を採用しています。大腸は肛門から直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸となっており、カメラは肛門から挿入し大腸の一番奥となる盲腸まで挿入し、大腸の内腔を観察していきます。
何も準備を行わない状態では、大腸の中には便が存在します。いわゆる宿便と言われるものです。大腸の内腔をくまなく観察するためには、腸の中を空にする必要があります。これを前処置と呼びます。
具体的には前日に便の残りにくい食事をとってもらい、夜に下剤を内服してもらいます。当日の朝からは液体の下剤を1.8リットル飲んでもらいます。これにより腸の中を空にすることができます。検査は午後に行っています。前処置は基本的にご自宅で行ってもらいます。当院では液体の下剤にスポーツ飲料のようなタイプを使っていますので、飲みやすいかと思います。検査は10分から20分位で終了します。胃と違い大腸は長さや走行が人により異なりますので個人差が生じます。日帰り手術を行った場合は、検査の約1週間後に再診していただきます。
検査は胃カメラと同様に鎮静剤を注射し、少しウトウトした状態で行い(意識下鎮静法)、大腸の内腔を細かく観察しポリープやがんを見つけます。ポリープを認めた場合4mm以下であれば、ポリープの一部を採取(生検)して、顕微鏡の検査に提出し良性悪性の鑑別をします。
大腸のポリープは10mmを越えるとその中にがんを含むことが多くなると言われていますので、5mm以上の大きさのポリープに対してはその場で切除するようにしています。
電気メスを使って切開しますので出血することはほとんどありません。ただし大きくなればなるほど切除後に出血したり、腸に穴が開いたりする穿孔の可能性が高くなりますので、大きなポリープおよび平坦型のポリープを認めた場合は、近くの病院に紹介し入院の上で切除するようにしています。検査のあとは30分くらい休んでいただき、説明します。検査中に撮影した画像を見ながらわかりやすい説明するように心がけております。希望のある方には内視鏡写真をお渡ししています。食事は検査直後から取ることができますが、検査の最中に腸の中に空気を入れますので、お腹が張ってしまいます。検査の日の食事はやや軽めに取るようにしてもらっています。
内視鏡検査は保険診療で行いますので、費用は1割負担の方で約4,000円、3割負担の方で約12,000円となります。
ただし、大腸ポリープを切除した場合は、日帰り手術の扱いになりますので、1割負担の方で約7,000円、3割負担の方で約21,000円となります。
この場合は日帰り手術の保険給付の対象になりますので受付に申し付けてください。
検査の予約は、一度来院していただいてからお取りしています。
内視鏡検査の対象になる症状や場合
以下のような症状はないでしょうか?
このような症状がある場合は内視鏡検査の対象となります。
検査を行い、異常(ポリープ、がん、炎症)がないかどうか調べることが大切です。
“食欲がなくなった”
“急に体重が減った”
“バリウムの検査でポリープなどの異常を指摘された”
“便に血が混じっている”
“下血した”
“便秘がひどくなった”
“便が細くなっている”
“血の混じった粘液が出る”
“下痢に血が混じってきた”
“急にお腹が張るようになった”
“便の潜血検査で陽性を指摘された”
“家族の中に大腸の病気が多い”
“以前大腸ポリープを指摘され、その後検査を行っていない”
また症状がない場合も、いわゆるがん年齢と言われる40歳を超えた場合は一度検査されることが大切です。症状のない状態では、その分早期のがんを見つけることが多くなります。
意識下鎮静法
胃カメラ、大腸カメラをスムーズに行ってもらうための方法です。検査の前に鎮静剤を注射し、ウトウトした状態で検査を行います。全身麻酔のように意識がなくなってしまうようなものではなく、呼べば返答できる程度の状態です。年齢、体格により薬の量は調節し、また検査中は血液中の酸素濃度を常時測定することで、呼吸循環のモニタリングをしながら検査が行われるようにしています。検査のあとは30分程度休む必要があります。また検査後は当日中、自動車、自転車、バイクの運転は大変危険ですので、厳禁となります。
電子内視鏡検査
電子内視鏡は先端に小型CCD(ビデオカメラ撮影装置)がついており、胃や大腸の内腔をテレビ画面に映しながら検査が行える装置です。1983年に米国で開発され、1984年に日本にも紹介された後、1990年頃から本格的に普及し始めました。それ以前のファイバースコープに比べ解像度が変わり、腸管の内腔を鮮明に観察する事が可能です。早期がんの発見の増加は、電子内視鏡の開発によるところが大きいと考えられています。当院ではオリンパス社のEVIS X1を採用し、胃や大腸の検査を行っています。
当院の内視鏡検査件数
現在胃カメラは主に午前中、大腸カメラは午後に行っております。また午後に胃カメラ大腸カメラを同時に行うことも場合によっては可能です。年々件数は増え発見されるがんも増えてきています。手術が必要な患者様は近隣の病院の外科に紹介しています。また早期のがんの場合は、内視鏡的な治療のみで当院で治療が可能です。当院で治療困難な大きな早期がんの場合は、内視鏡手術の可能な病院に紹介することにしています。
胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査ともに、大腸内視鏡検査ともに、予約制で行っております。予約を取りづらい時期がありますが、ただし至急に検査が必要と判断した患者様に対しては、緊急の枠を設け対応しております。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | ||
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内視鏡検査数 | 胃 | 1974 | 1913 | 1877 | 1557 | 1652 | 1626 |
大腸 | 1051 | 1021 | 1057 | 907 | 1088 | 911 | |
がん診断数 | 胃がん | 5(5) | 9(7) | 10(6) | 5(4) | 5(2) | 9(6) |
大腸がん | 27(18) | 33(13) | 34(21) | 23(14) | 32(17) | 18(9) |
※()内は早期がん
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